根尖膿瘍(こんせんのうよう)について
2、3日前から、急に右眼の下が腫れてきたんです。 |
かなり腫れていますね。 ご飯は食べづらそうではないですか? |
言われてみれば、最近食べるのに時間がかかっているかもしれません。 |
ちょっと口の中を見させてもらいますね。 ・・・結構 歯に歯石がついてますね。 |
すいません。 しないとダメとは思っているんですが、あまり歯磨きしていなくて・・・ 爪で取ってみようとしたんですけど。 それと何か関係あるんですか? |
歯磨きを嫌がってしまう子も多いですからね。
今見てみると、右側の犬歯と臼歯(奥歯)が特に歯石がついていて、少しですがグラグラしています。 |
そんなことがあるんですね。 |
もともと歯は歯槽骨(しそうこつ)といって、アゴの骨に刺さっている状態なっています。 それが、歯石が付いてくると、歯肉炎を起こしてきます。 さらに歯石が付いてくると歯肉(歯茎)が縮んできます。 そうすると、歯槽骨が徐々に溶けてきてしまい、炎症が歯根部に広がって、膿が溜まるようになるんです。 |
先生、治るんでしょうか? |
腫れに関しては、抗生剤や消炎剤でよくなる場合がほとんどです。 ただ、グラつきがある歯は、早い段階で抜歯したほうがいいと思います。 |
歯を抜くんですか? 抜いた後、ちゃんとご飯を食べれるか心配なのですが・・・ |
はい。歯を抜いてしまっても、ご飯はしっかり食べれます。 むしろそのままにしておくと、歯槽骨が溶けるのが進んでしまい、顎の骨が折れてしまう可能性もあります。 そうなってしまうと、治療は困難になってしまい、食事がとれなくなってしまいます。 |
先生! すぐに抜いてください!! |
そうですね。 歯科処置には全身麻酔が必要になります。 なので、まずは安全に麻酔がかけられるか、レントゲン検査、血液検査をして、日程を調整しましょう。 |
はい。 お願いします。 |
ご理解いただけましたでしょうか。
獣医師 院長
池谷 大輔
根尖膿瘍は、犬も猫もなる可能性のある病気です。
日ごろから歯のケアをするのが、一番の予防になります。
しかし、嫌がる子も多いので、定期的に歯石を取るなどの処置が必要になる場合が多いです。
一度ご相談していただいて、どのようにケアしていくのが良いか決めていきましょう。